生成AIの社内規定サンプル|コピーして使える雛形と作り方5ステップ【2026年版】
「社員がChatGPTを使い始めたが、ルールがない」「規定を作れと言われたが、何を書けばいいか分からない」。従業員10〜30名ほどの会社では、法務担当がいないまま、総務や管理職が手探りで規定づくりを任されることが少なくありません。
この記事では、そのままコピーして自社名を入れれば使える生成AIの社内規定サンプルを載せています。あわせて、無料で公開されている公的なひな形・チェックリストの使い方、作成の5ステップ、ありがちな失敗と対策、社員に定着させる方法までを順に解説します。読み終えたら、今週中に規定の第一版を作り始められる構成にしています。
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目次
生成AIの社内規定サンプル:まず結論(盛り込む9項目)
生成AIの社内規定は、ゼロから書く必要はありません。無料で公開されているひな形を土台にし、「自社で使ってよいツール」と「入力してはいけない情報」を具体的に書き足せば、少人数の会社でも十分な規定になります。
規定に盛り込む項目は、次の9つです。後半の「そのまま使える雛形」では、この9項目を条文の形にしています。
| No. | 項目 | 決める内容 | 小さな会社での書き方のコツ |
|---|---|---|---|
| 1 | 目的 | 何のために生成AIを使うか | 「業務効率化とリスク防止の両立」など1〜2行で足りる |
| 2 | 適用範囲 | 誰が、どの場面で守るか | パート・派遣・業務委託を含めるかを明記する |
| 3 | 利用できるツール | 会社が認めたサービス | 許可したツールだけを一覧表にする |
| 4 | 入力禁止の情報 | AIに入れてはいけないデータ | 「顧客の氏名」など具体例で書く |
| 5 | 生成物の確認 | AIの出力をどう確かめるか | 「社外に出す前に人が確認」を必須にする |
| 6 | 禁止する使い方 | やってはいけない用途 | なりすまし、他者作品の模倣など |
| 7 | 責任者・相談窓口 | 迷ったとき誰に聞くか | 社長か管理職を1名指名する |
| 8 | 事故時の対応 | 誤って入力したときの動き | 報告先と「報告者を責めない」方針を書く |
| 9 | 教育・見直し | どう教え、いつ更新するか | 見直しの時期をあらかじめ決める |
作り方は次の5ステップです。
- 社内での今の使われ方を把握する
- 責任者と、使ってよいツールを決める
- 情報を「入力してよい・条件付き・禁止」の3段階に分ける
- 雛形を土台に自社版を書く
- 公的なチェックリストで点検し、全員に周知する
生成AIの社内規定を作る前に知っておきたい基礎知識
「規定」と「ガイドライン」の違い
「規定」は、社員が守るべきルールです。違反したときの扱いまで決めるのが一般的です。「ガイドライン」は、使い方の手引きです。おすすめの使い方や注意点を、例を交えて説明します。
大企業では両者を分けることが多いですが、10〜30名の会社なら1つの文書にまとめて構いません。前半に「守ること(規定)」、後半に「上手な使い方(ガイドライン)」を置くと、読む側も迷いません。
なお、違反時に懲戒処分と結びつける場合は、就業規則との関係を整理する必要があります。この部分は社会保険労務士などの専門家に確認してください。
禁止ではなく「安全に使える範囲」を示す
社内規定の目的は、生成AIを止めることではありません。社員が迷わず、安全に使えるようにすることです。
ルールがないと、社員は「使っていいのか分からない」と手を止めるか、個人のアカウントで黙って使うかのどちらかになりがちです。会社が把握していないところでAIが使われる状態は「シャドーAI」と呼ばれます。どんな情報が入力されたか誰も分からないため、問題が起きても気づけません。
規定で「このツールなら、この情報まで入れてよい」と示せば、社員は安心して使えます。管理する側も、どこで何が使われているかを把握できます。
土台にできる公的な資料(2026年10月時点)
規定づくりの土台として、次の2つが無料で公開されています。
| 資料 | 提供元 | 中身 | 規定づくりでの使い方 |
|---|---|---|---|
| 『生成AIの利用ガイドライン』第1.1版 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA) | 組織向けの利用ガイドラインのひな形 | 条文の土台としてそのまま下敷きにする |
| AI事業者ガイドライン(第1.2版) | 総務省・経済産業省 | 本編・概要、チェックリスト(別添7、PDF)、ワークシート(別添7、Excel)など | 作った規定の抜け漏れを点検する |
JDLAのひな形は、公式サイトに「どなたでも無料でダウンロードし、ご利用いただけます」と書かれています。第1版は2023年5月1日に公開され、その後に改訂版として第1.1版が出ました。目的は「生成AIの活用を考える組織がスムーズに導入を行えるように」することとされています。配布はJDLA公式サイトの資料室です。より新しい版が出ていないかは、資料室で確認してください。
AI事業者ガイドラインは、AIの開発・提供・利用に必要な取り組みの基本的な考え方を示したものです。概要資料では、本編は「基本理念(why)」と「指針(what)」で構成されていると説明されています。2024年の第1.0版から、第1.1版(2025年3月28日)、第1.2版(2026年3月31日)と改訂が続いています。生成AIを業務で使うだけの中小企業は、多くの場合「AIを利用する側」に当たります。本編やチェックリストのうち、利用者に関係する部分を中心に確認するとよいでしょう。
生成AIの社内規定の作り方5ステップ
ステップ1:今の使われ方を把握する
最初に、社員がすでに何をどう使っているかを調べます。実態を知らずに規定を書くと、現場に合わないルールになります。全員に次のような簡単なアンケートを送り、回答を集めます。
【生成AIの利用状況アンケート】※回答内容で個人を責めることはありません
Q1. 業務で生成AIを使ったことがありますか。
□ よく使う □ たまに使う □ 使ったことはない
Q2. 使っているサービス名を教えてください。(例:ChatGPT、Geminiなど)
( )
Q3. 使っているアカウントはどれですか。
□ 個人で作った無料アカウント □ 個人で払っている有料アカウント
□ 会社が用意したアカウント □ 分からない
Q4. どんな業務に使っていますか。(複数回答可)
□ メール・文書の下書き □ 要約・議事録 □ 企画・アイデア出し
□ 翻訳 □ 表計算・データ整理 □ 画像作成 □ その他( )
Q5. 入力したことがある情報はありますか。(複数回答可)
□ 社外秘の資料 □ 顧客名や連絡先 □ 見積・売上の数字 □ 特にない
Q6. 使ってみたいが、ルールがなくて迷っている使い方があれば教えてください。
( )
Q5の回答で、すでに入力されている情報の種類が分かります。Q6は、規定のガイドライン部分に載せる「おすすめの使い方」の材料になります。
ステップ2:責任者と、使ってよいツールを決める
次に、規定の管理責任者を1名決めます。少人数の会社では、社長本人か、ITに比較的詳しい管理職が担うのが現実的です。責任者の役割は、ツールの承認、相談対応、事故時の判断、規定の見直しの4つです。
使ってよいツールは「ホワイトリスト方式」で決めます。ホワイトリスト方式とは、許可したツールだけを一覧にし、それ以外は申請・承認を経てから使う方式です。「使ってはいけないツール」を並べる方式だと、新しいサービスが出るたびに抜けが生じます。
ツールを選ぶときは、次の点を各サービスの利用規約や公式サイトで確認します。
- 入力した情報が、AIの学習に使われる設定になっていないか(設定で変えられるか)
- 個人向けプランと法人向けプランで、データの扱いが違わないか
- 会社として管理者がアカウントを管理できるか
- 退職者のアカウントを止められるか
サービスの仕様や規約は変わることがあります。承認した日付を一覧表に残し、見直しのたびに確認し直しましょう。
ステップ3:情報を3段階に分ける
「機密情報は入力禁止」とだけ書くと、社員はどこまでが機密か判断できません。自社の情報を、具体例つきで3段階に分けます。
| 区分 | 判断の目安 | 自社での具体例(書き換えて使う) |
|---|---|---|
| 入力してよい | 公開済み、または外に出ても困らない情報 | 自社サイトに載っている商品説明、一般的なビジネス文書の型、公開済みのプレスリリース |
| 条件付きで入力可 | 固有名詞や数字を伏せれば使える情報 | 顧客名を「A社」に置き換えた提案書の構成、金額を伏せた社内マニュアル |
| 入力禁止 | 漏れると顧客・取引先・社員に損害が出る情報 | 顧客・社員の氏名や連絡先、取引先から預かった秘密情報、未公表の決算や人事、パスワード |
「条件付き」の区分を設けるのがポイントです。この区分がないと、社員は「全部禁止」と受け取り、使わなくなるか、逆に気にせず入力してしまいます。「名前と金額を伏せれば使える」と分かれば、提案書の構成づくりや文面の推敲などに安心して使えます。
ステップ4:雛形を土台に自社版を書く
次の章の雛形、またはJDLAのひな形を土台に、自社版を書きます。書き足すべき箇所は主に3つです。
- 第3条の別表:ステップ2で決めたツール名
- 第4条の別表:ステップ3で決めた自社固有の禁止情報
- 第7条・第8条:責任者の氏名と連絡手段(メール、社内チャットなど)
文章は短く、社員が5分で読み切れる分量を目指します。法律用語を増やすより、具体例を増やすほうが守られる規定になります。
ステップ5:公的なチェックリストで点検し、周知する
書き上げたら、AI事業者ガイドラインのチェックリスト(別添7、PDF)やワークシート(別添7、Excel)を使って、抜けている観点がないかを確かめます。すべての項目を満たす必要はありません。「自社に関係あるか」「関係あるなら規定のどこで扱っているか」を見ていくだけで、見落としに気づけます。経済産業省のページでは「AI事業者ガイドライン活用の手引き(案)」やチャットボットも公開されているので、読み方に迷ったら参考にしてください(2026年10月時点)。
点検が済んだら、制定日を入れて全員に配布します。配るだけでなく、短い説明の場を設けることが大切です。説明の進め方は「社員教育・定着のさせ方」の章で紹介します。
そのまま使える生成AI社内規定の雛形
雛形1:生成AI利用規定(本文)
【 】の部分を自社に合わせて書き換えてください。
生成AI利用規定
制定日:【20XX年X月X日】
管理責任者:【役職・氏名】
第1条(目的)
本規定は、当社の役員および従業員が生成AI(文章・画像などを自動で作るAIサービス)を
業務で利用する際のルールを定め、業務の効率化と、情報漏えい・権利侵害などの
リスク防止を両立することを目的とする。
第2条(適用範囲)
本規定は、当社の役員、正社員、契約社員、パート・アルバイト【、派遣社員、業務委託先】に適用する。
会社の端末か個人の端末かを問わず、業務で生成AIを利用するすべての場合に適用する。
第3条(利用できるツール)
1. 業務で利用できる生成AIツールは、別表1に記載したものに限る。
2. 別表1にないツールを使いたい場合は、所定の申請書で管理責任者に申請し、承認を得てから利用する。
3. 業務には会社が指定したアカウントを使い、個人のアカウントを使用しない。
第4条(入力してはいけない情報)
1. 次の情報は、生成AIに入力してはならない。
(1) 顧客・取引先・従業員の個人情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレス等)
(2) 取引先から秘密として受け取った情報
(3) 未公表の経営情報、財務情報、人事情報
(4) パスワード、ID等の認証情報
(5) その他、別表2で指定した情報
2. 固有名詞や数字を伏せれば使える情報は、伏せたうえで入力してよい。
3. 判断に迷う情報は、入力する前に管理責任者へ相談する。
第5条(生成物の確認と利用)
1. 生成AIの出力には誤りが含まれることがある。利用者は内容の正確さを自ら確認する。
2. 社外に出す文書・画像・プログラム等に生成物を使う場合は、【作成者本人および上長】が確認してから使う。
3. 生成物が他者の著作物・商標・ロゴに似ていないかを確認し、疑わしい場合は使用しない。
4. 生成物を利用した結果の責任は、利用した従業員および当社が負う。
第6条(禁止事項)
次の行為を禁止する。
(1) 実在の人物・企業になりすました文章や画像を作ること
(2) 特定の他者の作品を無断で模倣することを目的とした利用
(3) 差別的・攻撃的な内容や虚偽の情報を作成し、発信すること
(4) 生成物を確認せずに、そのまま顧客や取引先へ提出すること
(5) 承認されていないツールに業務データを入力すること
第7条(相談窓口)
生成AIの利用に関する質問・相談は、管理責任者が受け付ける。
連絡先:【メールアドレス/社内チャットのチャンネル名】
第8条(事故時の対応)
1. 第4条の情報を誤って入力した場合、または生成物で問題が起きた場合は、直ちに管理責任者へ報告する。
2. 管理責任者は、入力履歴の削除など可能な措置をとり、必要に応じて関係者へ連絡する。
3. 速やかに報告した者を、報告したことを理由に不利益に扱わない。
第9条(違反した場合)
本規定に違反した場合は、就業規則に基づき対応する。
第10条(教育と見直し)
1. 当社は、従業員に対し生成AIの適切な利用に関する教育を行う。
2. 管理責任者は、本規定を【年1回】、および新しいツールを承認したときに見直す。
別表1 利用を許可する生成AIツール
ツール名/利用できる人/プラン・設定の条件/承認日
【 】/【全員・〇〇部のみ】/【学習に使わない設定をオン】/【20XX年X月X日】
別表2 追加の入力禁止情報
【例:〇〇社との共同開発資料、採用応募者の書類】
第8条第3項は、少人数の会社ほど重要です。報告すると叱られる雰囲気があると、誤入力は隠されます。早く知らせてもらうほど、打てる手が増えます。
雛形2:ツール利用申請フォーム
別表1にないツールを使いたいときの申請書です。社内チャットやメールにそのまま貼って使えます。
【生成AIツール利用申請】
申請日:
申請者(部署・氏名):
ツール名:
公式サイトURL:
使いたい業務:(例:営業メールの下書き、会議の文字起こし)
入力する予定の情報:(例:公開済みの商品情報のみ。顧客名は入力しない)
利用するプラン:□ 無料 □ 有料(月額: 円)
入力データが学習に使われない設定にできるか:□ できる □ できない □ 不明
利用期間:□ 継続 □ お試し(〜 月 日まで)
――以下、管理責任者が記入――
判断:□ 承認 □ 条件付き承認(条件: ) □ 不承認
理由:
別表1への追加:□ 済
「入力する予定の情報」を書いてもらうと、申請の段階でステップ3の区分に照らして判断できます。
雛形3:社員向け「使う前の確認」チェックリスト
規定本文は読まれなくても、短いチェックリストなら毎回見てもらえます。印刷してPCの横に置くか、社内チャットに固定表示しておきます。
【生成AIを使う前の5つの確認】
□ 1. 会社が許可したツール・アカウントを使っているか
□ 2. 顧客や社員の名前・連絡先を入力していないか
□ 3. 取引先の秘密情報や未公表の数字を入力していないか
□ 4. 伏せるべき固有名詞・金額は「A社」「〇〇円」に置き換えたか
□ 5. 社外に出す前に、内容の正しさを自分の目で確認したか
迷ったら入力する前に相談:【責任者名/連絡先】
雛形4:誤入力・トラブルの報告テンプレート
【生成AI利用に関する報告】
報告者:
発生日時:
使ったツール:
何が起きたか:(例:顧客名入りの見積書を貼り付けてしまった)
入力・出力した情報の範囲:
すでに行った対応:(例:該当の会話履歴を削除した)
生成AIの社内規定でよくある失敗と対策
失敗1:大企業向けの雛形をそのまま使う
数十ページの規定や、部署ごとの承認フローを前提にした雛形を、そのまま採用してしまう失敗です。承認者が社長しかいない会社で多段階の承認を求めると、申請が止まり、結局は隠れて使われます。
対策は、自社に部署や役職がない項目を思い切って削ることです。承認者は1名、規定はA4数枚程度に収めると、全員が読み切れます。
失敗2:「原則禁止」にして、隠れて使われる
リスクを恐れて「原則として生成AIの利用を禁止する」と書くケースです。便利さを知った社員は個人のスマホで使い続けるため、かえって会社が把握できない利用が増えます。
対策は、まず許可するツールを1つでも決め、「この範囲なら使ってよい」を示すことです。禁止事項は、ステップ3の「入力禁止」の区分と、雛形の第6条に絞ります。
失敗3:入力禁止の情報があいまい
「機密情報」「重要な情報」とだけ書くと、判断が社員任せになります。ある人は見積の金額を平気で入れ、別の人は公開済みの商品説明すら入れない、というばらつきが出ます。
対策は、自社の書類名や情報の種類で具体例を書くことです。「顧客台帳」「〇〇社との契約書」のように、社員が毎日触れている書類の名前で書くと迷いが減ります。
失敗4:作って終わりで、一度も更新しない
生成AIのサービスは機能や規約の変化が速く、作成時には正しかったルールがすぐに古くなります。JDLAはひな形の改訂理由として、サービスの多様化や、複数サービスの組み合わせ・データベース連携によってリスク管理が複雑になったことを挙げています。国のAI事業者ガイドラインも、2024年の第1.0版以降、第1.1版、第1.2版と改訂されてきました。
対策は、見直しの時期を規定の中に書き込むことです(雛形の第10条)。加えて、新しいツールを承認したとき、利用規約が変わったとき、ヒヤリとする事例が起きたときにも見直します。見直したら版数と日付を更新し、変更点を全員に知らせます。
失敗5:生成物の確認責任が決まっていない
AIが作った文章をそのまま顧客に送り、誤った数字や存在しない情報が含まれていた、というのが典型的なトラブルです。「AIが書いたから」は、取引先には通用しません。
対策は、社外に出すものについて「誰が確認するか」を規定に書くことです。雛形の第5条では、作成者本人と上長の確認を求めています。社内向けのメモは本人確認のみ、社外向けは上長確認も、と分けると現場の負担を抑えられます。
社員教育・定着のさせ方
説明会は「禁止事項」より「使い方」から始める
規定を配ったら、30分程度の短い説明会を開きます。最初の数分で、雛形3の「5つの確認」を一緒に読み合わせます。残りの時間は、実際に許可したツールを画面に映し、名前や金額を伏せて文書を作る実演に使います。
禁止事項だけを説明すると、「使わないのが一番安全」と受け取られます。「こう伏せれば、この作業がこう速くなる」と見せることで、ルールを守ることと使うことが結びつきます。
業務別の「おすすめの使い方」を共有する
ステップ1のアンケートQ6で集めた「使ってみたい使い方」をもとに、業務ごとの使い方の例をまとめます。営業ならメールの下書き、事務なら議事録の要約、というように、自分の仕事に引き寄せた例があると試しやすくなります。うまくいったプロンプト(AIへの指示文)は社内チャットで共有し、規定のガイドライン部分に追記していきます。
相談と事例を集める仕組みをつくる
「これは入力してよいか」という相談は、規定の弱点を教えてくれる貴重な情報です。責任者は相談内容を記録し、同じ質問が続くものは別表2や具体例に反映します。誤入力の報告があったときは、個人名を伏せて「こういうことがあったので、こう防ぎましょう」と全員に共有します。報告が責められず役に立つと分かれば、次の報告も早くなります。
外部の教材で、全員の基礎をそろえる
規定を守るには、社員一人ひとりが「なぜこの情報を入れてはいけないのか」「AIの出力はなぜ確認が必要なのか」を理解している必要があります。ただ、少人数の会社では、責任者が全員に一から教える時間を確保するのは難しいものです。その場合は、外部の動画教材で基礎知識をそろえ、社内の説明会では自社ルールに集中する、という分担が有効です。
選択肢の一つに、株式会社Essenceが運営する法人向けの「実践型AI講座Biz」があります。2026年10月時点で、生成AIリテラシーやChatGPT・Geminiの基礎から、営業向けセールスDXや事務書類作成の効率化などの実践、管理職向けのAIガバナンスまで1,000本超の動画があり、大手企業顧問とAI専門家が監修しています。料金は月額19,800円(税抜)で、1アカウントを社員何人でも視聴できます(同時に視聴する場合はアカウントを追加)。スマホから24時間いつでも視聴でき、契約前に無料デモで内容を確かめられます。規定の説明会の前に基礎の動画を見てもらう、といった使い方が考えられます。
生成AI 社内規定サンプルに関するよくある質問
- JDLAの生成AI利用ガイドラインのひな形は、そのまま使ってもよいですか?
- JDLAの公式サイトには「どなたでも無料でダウンロードし、ご利用いただけます」と記載されています(2026年10月時点)。ただし、使ってよいツール名や自社固有の入力禁止情報は書かれていないため、別表などで必ず書き足してください。最新版の有無は資料室で確認しましょう。
- 生成AIの社内規定は、就業規則に入れる必要がありますか?
- 必ず就業規則に入れる必要はなく、独立した規定やガイドラインとして運用する会社もあります。ただし、違反時に懲戒処分と結びつける場合は、就業規則との関係を整理しておく必要があります。この点は社会保険労務士などの専門家に確認してください。
- 社員が個人の無料アカウントでChatGPTを使っていた場合、どうすればよいですか?
- いきなり禁止したり責めたりせず、まずアンケートで利用状況と入力した情報を把握します。そのうえで、会社として許可するツールとアカウントを決め、申請・承認の流れに乗せます。プランごとの入力データの扱いは、各サービスの公式サイトや利用規約で確認してください。
- 社内規定はどのくらいの頻度で見直すべきですか?
- 法律で決まった頻度はありません。JDLAのひな形も国のAI事業者ガイドラインも改訂が続いており、サービスの変化は速いのが実情です。年1回など定期の見直し時期を規定に書いたうえで、新しいツールの承認時や規約変更時、トラブル発生時にも見直すのが現実的です。
- 著作権や個人情報のことは、規定にどこまで書けばよいですか?
- 規定には「個人情報を入力しない」「他者の作品に似た生成物は使わない」といった禁止事項と、確認の手順を書けば十分です。法的な判断の詳細は、文化庁や個人情報保護委員会などが公表している最新の公式情報を確認し、判断に迷う場合は弁護士などの専門家に相談してください。
まとめ|無料のひな形を土台に「自社の線引き」を書き足し、定期的に見直す
生成AIの社内規定は、JDLAの無料ひな形やこの記事の雛形を土台にすれば、少人数の会社でも短期間で形にできます。差がつくのは、使ってよいツールと、入力してよい情報・条件付き・禁止の線引きを、自社の書類名や具体例で書けるかどうかです。
書き上げたら、AI事業者ガイドラインのチェックリストで抜け漏れを点検し、説明会で使い方とセットで伝えます。まずは利用状況アンケートを全員に送り、責任者を1名決めるところから始めてください。見直しの時期を規定に書いておけば、ルールが古くなるのを防げます。
全社員がAI人材に。
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