ChatGPT経理プロンプト集|仕訳・請求書チェック・月次報告にそのまま使える例
「ChatGPTを経理に使えと言われても、何をどう頼めばよいか分からない」「取引先の情報を入れて大丈夫なのか不安」。経理担当が1〜2名の会社では、こうした悩みを抱えやすいものです。調べる時間も、試す時間も足りないのが実情でしょう。
この記事では、仕訳の候補出し、請求書の支払前チェック、月次報告コメントなど9つの場面について、コピーしてそのまま使えるプロンプトを紹介します。差し替える箇所は[ ]で示しています。
あわせて、精度を上げる書き方、入力してはいけない情報の置き換え方、AIに任せずに人が判断すべき範囲も整理しました。読み終えたら、架空のデータで1本試せる状態を目指します。
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目次
ChatGPTの経理プロンプトでできること|場面別の早見表
経理でChatGPTが役に立つのは、「下書き」「候補出し」「確認項目の洗い出し」の3つです。仕訳や税区分を確定させる道具ではありません。担当者が判断する前の準備を短くする道具と考えると、使いどころがはっきりします。
下の表は、この記事で紹介するプロンプト9本を場面ごとに整理したものです。右端の列は、AIの出力を受け取ったあとに人が判断する点です。
| 場面 | ChatGPTに任せる作業 | 入力する情報 | 人が最後に判断すること |
|---|---|---|---|
| 1. 仕訳の候補出し | 勘定科目・税区分の候補と理由 | 取引日・金額・支払方法・目的 | 科目と税区分の確定 |
| 2. 明細から仕訳一覧 | 明細を仕訳の形に並べ替える | 日付・内容・金額(口座番号は削除) | 合計の一致、二重計上 |
| 3. 摘要の統一 | 表記ゆれを社内ルールにそろえる | 摘要の一覧と社内ルール | 置き換え結果の妥当性 |
| 4. 請求書の支払前チェック | 重複・不足・前月との差の指摘 | 記号に置き換えた請求内容 | 支払の可否、仕入税額控除の可否 |
| 5. 税率別の集計 | 税率ごとの区分と小計 | 品目・税率・金額 | 端数、請求書との一致 |
| 6. 月次報告コメント | 前月比・前年比の説明文の下書き | 主要項目の数字と現場の事情 | 増減理由が正しいか |
| 7. 経費精算の案内文 | 社員向けの案内文とFAQ | 社内規程の要点 | 規程との食い違い |
| 8. 手順書づくり | 作業メモを手順書に整える | 担当者の作業メモ | 手順の抜け漏れ |
| 9. 税理士への相談準備 | 質問事項と必要資料の整理 | 状況の要約 | 結論は税理士が出す |
最初の1本に迷ったら、数字を扱わない「7. 経費精算の案内文」や「8. 手順書づくり」から始めると安心です。慣れてきたら、毎月同じ支払先・同じ費目が並ぶような、定型的で機密度の低い作業に広げます。失敗しても影響が小さい作業から順に試すのがコツです。
基本の手順|経理担当が1人でも回せる5ステップ
専任のIT担当がいない会社でも、次の5ステップなら経理担当1人で始められます。いきなり実データを入れないことがポイントです。
- 対象業務を1つに絞る 「今月の経費精算の案内文」のように、範囲が小さく、成果物がはっきりした作業を1つ選びます。
- 入力しない情報と置き換え方を決める 取引先名、口座番号、担当者名などを入れないと決め、「取引先A」「担当1」のように置き換えるルールを作ります(詳しくは後述の注意点で表にしています)。
- 架空のデータで試す 実在しない取引や、個人情報を除いたサンプルでプロンプトを動かします。出力の癖をここでつかみます。
- 元資料と突き合わせる 出力された表の金額・件数・科目を、通帳や請求書の原本と照らし合わせます。経理責任者または顧問税理士が確認する工程は省きません。
- 使えたプロンプトを保存し、記録を残す うまくいったプロンプトは共有フォルダに保存します。誤った指摘の件数や確認にかかった時間を月ごとに記録すると、続けるかどうかを判断しやすくなります。
ステップ2と5は手間に見えますが、ここを飛ばすと「誰が何を入れたか分からない」状態になります。担当者が1人の会社ほど、記録が引き継ぎ資料を兼ねるので、最初から残しておくと後で助かります。
そのまま使えるChatGPT経理プロンプト例9選
ここからは、コピーして使えるプロンプトを紹介します。[ ]の部分を自社の内容に差し替えてください。 例に入れている金額や取引内容は架空のものです。取引先や口座の情報は、記号に置き換えてから貼り付ける前提で書いています。
1. 仕訳の候補を出す
判断に迷う取引について、勘定科目と税区分の候補を理由つきで出してもらいます。候補が複数ある場合に並べて比べられるのが利点です。
あなたは中小企業の経理担当をサポートするアシスタントです。
次の取引について、仕訳の候補を作ってください。
# 取引の内容
- 取引日:[2026/09/15]
- 金額:[33,000円]([税込/税抜])
- 支払方法:[法人カード/現金/銀行振込]
- 取引の目的:[取引先との打ち合わせ用の会議室利用料]
- 取引先:[取引先A](実名は伏せています)
# 当社の条件
- 使っている勘定科目:[会議費、旅費交通費、消耗品費、支払手数料、雑費]
- 消費税の経理方式:[税込経理/税抜経理]
# 出力形式
表で出してください。
列は「借方科目|借方金額|貸方科目|貸方金額|税区分の候補|摘要案」。
表の下に、その科目を選んだ理由を2行で書いてください。
# 制約
- 候補が2つ以上考えられる場合は、すべて並べて違いを説明する
- 判断に必要な情報が足りない場合は、推測せず「確認が必要な点」として質問を書く
- 税務上の最終判断はしない
人が見る点:科目と税区分は候補として受け取り、確定は経理責任者が行います。「確認が必要な点」に挙がった質問は、そのまま社内の確認メモに使えます。
2. 銀行・カード明細から仕訳一覧の下書きを作る
月末にまとめて入力する明細を、仕訳の形に並べ替えてもらいます。毎月決まっている取引のルールを書いておくと、出力が安定します。
あなたは経理の記帳を補助するアシスタントです。
以下は当社の[銀行口座/法人カード]の[2026年9月]分の明細です。
口座番号・カード番号は削除しています。仕訳一覧の下書きを作ってください。
# 明細(日付|内容|出金|入金)
[ここに明細を貼り付け]
# ルール
- 勘定科目は次の一覧から選ぶ:[勘定科目の一覧]
- 毎月決まっている取引:[例:「リース料」は賃借料、「振込手数料」は支払手数料]
- 判断できない行は科目を空欄にし、「要確認」と書く
# 出力形式
表:日付|借方科目|貸方科目|金額|摘要案|要確認の理由
表の下に、明細の行数、出金合計、入金合計を書く
人が見る点:表の下に出た行数と合計が、元の明細と一致するかを確かめます。一致しなければ、行の抜けか重複があります。
3. 摘要の書き方をそろえる
担当者ごとに摘要の書き方がばらばらだと、後から検索しにくくなります。社内ルールを渡して書き直してもらいます。
以下の摘要一覧を、当社の摘要ルールにそろえて書き直してください。
# 当社の摘要ルール
- 形式:「[取引先コード]/[内容]/[対象月]」
- 取引先は次のコードで書く:[取引先A=A01、取引先B=B02 …]
- 英数字は[半角]にする
# 摘要一覧
[ここに貼り付け]
# 出力形式
表:元の摘要|書き直した摘要|変更した点
ルールに当てはめられないものは書き直さず、「判断保留」と書いてください。
人が見る点:「判断保留」になった行は、ルール自体が足りていない合図です。摘要ルールを追記する材料にします。
4. 請求書の支払前チェックをする
今月の請求内容を先月までと比べて、気になる点を洗い出してもらいます。支払ってよいかの判断はさせず、「確認すべき点のリスト」を作らせるのがポイントです。
あなたは経理の支払前チェックを手伝うアシスタントです。
以下は今月受け取った請求書の内容を書き出したものです。
取引先名・口座番号・担当者名は記号に置き換えています。
# 今月の請求内容
(取引先記号|社内管理番号|請求日|品目|数量|単価|金額|税率)
[ここに貼り付け]
# 先月までの同じ取引先の請求(比較用)
[同じ形式で貼り付け]
# 依頼
1. 同じ内容が二重に請求されている可能性がある行を挙げる
2. 先月までと比べて、金額・数量・単価が大きく変わった行を挙げる
3. 書き出した項目に空欄や不足がある行を挙げる
4. 承認前に担当者が確認すべき点をチェックリストにする
# 制約
- 支払ってよいか、仕入税額控除を受けられるかの判断はしない
- 指摘は「可能性がある」ものとして挙げ、断定しない
人が見る点:指摘された行は、請求書の原本と発注書を見て確認します。支払の可否は承認者が決めます。
5. 税率が混ざる請求書を税率ごとに集計する
税率の異なる品目が混ざっている場合、「税率ごとに区分して」とはっきり書かないと、まとめて計算されてしまうことがあると指摘されています。指示の中で明示しておきます。
次の請求明細には、税率の異なる品目が混ざっています。
税率ごとに区分して集計してください。まとめて計算しないでください。
# 明細(品目|税率|税込金額)
[ここに貼り付け]
# 出力形式
1. 品目ごとの表:品目|税率|税込金額
2. 税率ごとの小計の表:税率|対象金額の合計|品目数
3. 税率の判断に迷った品目があれば、その品目と理由
人が見る点:小計は請求書に書かれた税率ごとの金額と照合します。1円単位の端数は、AIの計算をうのみにせず、表計算ソフトや電卓で検算します。
6. 月次報告のコメントを下書きする
社長や役員に出す月次報告に添えるコメントの下書きです。数字に加えて、現場から聞いている事情を書き添えると、中身のある文章になります。
あなたは中小企業の経理責任者です。
社長向けの月次報告に添えるコメントの下書きを作ってください。
# 数字(単位:千円)
| 項目 | 当月 | 前月 | 前年同月 |
| 売上高 | [ ] | [ ] | [ ] |
| 売上総利益 | [ ] | [ ] | [ ] |
| 販売費及び一般管理費 | [ ] | [ ] | [ ] |
| 営業利益 | [ ] | [ ] | [ ] |
# 現場から聞いている事情
- [例:9月は大口案件の納品が重なった]
- [例:求人広告費を一時的に増やした]
# 出力形式
- 300字以内、です・ます調
- 「良かった点」「注意が必要な点」「来月確認したいこと」の3つの見出しで書く
- 数字と上の事情から読み取れないことは書かず、「要確認」と書く
人が見る点:増減の理由がAIの推測になっていないかを確かめます。「要確認」と出た箇所は、報告前に担当部署へ聞き取ります。
7. 経費精算ルールの社内案内文を作る
経理への問い合わせを減らすための案内文です。数字や取引先情報を使わないので、最初に試す1本に向いています。
社員向けに、経費精算ルールの案内文を作ってください。
# 読み手
経理に詳しくない社員[15]名。スマホで読む人が多い。
# 伝えたいルール(社内規程の要点)
- 締め日:[毎月25日]
- 提出方法:[経費精算フォーム/紙の申請書]
- 領収書:[原本を提出/画像を添付]
- よくある差し戻し:[領収書の宛名漏れ、利用目的の未記入]
# 出力形式
1. 件名
2. 本文(400字以内。箇条書きを使う)
3. よくある質問を3つ(質問と答え)
規程に書かれていないことは付け加えないでください。
人が見る点:AIが規程にないルールを書き足していないかを確認します。最後の一文は、その書き足しを防ぐための指示です。
8. 経理業務の手順書を作る
担当者の頭の中にしかない手順を、引き継げる形にします。休暇や退職で業務が止まるリスクを下げられます。
以下は、[月末の支払処理]について担当者が書いた作業メモです。
引き継ぎ用の手順書に整えてください。
# 作業メモ
[ここに貼り付け]
# 出力形式
- 番号付きの手順(1手順1行)
- 各手順に「使う資料・画面」「確認する人」を添える
- 最後に「よくあるミス」と「判断に迷ったときの相談先」を書く
- メモから読み取れない手順は追加せず、「確認が必要」と書く
人が見る点:できあがった手順書を、実際にその作業をしていない人に読んでもらいます。分からないと言われた箇所が、メモに書かれていなかった暗黙の手順です。
9. 顧問税理士への相談事項を整理する
税務の判断そのものはAIに頼まず、税理士に聞く前の準備に使います。質問が整理されていると、相談の時間を有効に使えます。
顧問税理士に相談する前に、質問を整理したいです。
# 状況
[例:社員の資格取得費用を会社が負担した。業務に関係する資格で、金額は[ ]円]
# 依頼
1. 税理士に確認すべき質問を、優先度の高い順に5つまで挙げる
2. 質問ごとに、事前に用意しておくとよい資料を挙げる
3. 当社で決めておくべき社内ルールがあれば、その候補を挙げる
# 制約
- 税務上の結論は出さない
人が見る点:質問リストは税理士に送る前に経理責任者が目を通し、社内で答えられるものは先に埋めておきます。
プロンプトの精度を上げる5つのコツ
同じ作業でも、頼み方によって出力の質は変わります。上の9本に共通している工夫を、自分でプロンプトを作るときにも使えるよう整理します。
役割・目的・出力形式・制約の4つを書く
プロンプトは、次の4つの要素を書くと安定しやすくなります。上の例も、すべてこの形で作っています。
| 要素 | 書く内容 | 経理での例 |
|---|---|---|
| 役割 | AIに担ってほしい立場 | 中小企業の経理担当をサポートするアシスタント |
| 目的 | 何のための作業か | 社長向け月次報告に添えるコメントの下書き |
| 出力形式 | 表の列、文字数、見出し | 列は「日付|借方科目|貸方科目|金額」 |
| 制約 | してほしくないこと | 税務上の判断はしない、推測で空欄を埋めない |
仕訳は取引の情報をまとめて渡す
仕訳の候補を頼むときに何を伝えるかについては、実務解説記事でも、取引日・金額・支払方法・取引の目的・税込か税抜かをまとめて伝えるとよいとされています。中でも取引の目的が抜けると、同じ支払いでも会議費なのか交際費なのか、AIには区別がつきにくくなります。プロンプト1の「取引の内容」欄は、これらを埋める形にしています。
自社の勘定科目一覧と社内ルールを先に貼る
AIは、その会社がどの勘定科目を使っているかを知りません。科目一覧、消費税の経理方式、摘要ルールを最初に渡すと、自社の帳簿に合った出力になります。毎回書くのが手間なら、この「当社の条件」部分だけをテキストファイルに保存し、使うたびに先頭へ貼り付けると楽です。
「分からなければ要確認と書いて」と指示する
生成AIには、ハルシネーション(事実と違う内容をもっともらしく答えてしまうこと)があります。指示がないと、足りない情報を推測で埋めてしまいがちです。「判断できない行は空欄にして要確認と書く」「推測せず質問を書く」と明記すると、怪しい箇所が目に見える形で残ります。
合計と件数を出させて検算する
明細や請求書を扱うプロンプトには、「行数」「合計」を出力させる一文を入れます。元資料の行数・合計と比べるだけで、行の抜けや重複に気づきやすくなります。税率が混ざる場合は、税率ごとの小計まで出させると照合が楽になります。
経理でChatGPTを使うときの注意点
経理は、取引先・金額・口座といった機密情報を日常的に扱う部署です。便利さよりも先に、入力のルールと確認の流れを決めておきます。
入力しない情報を決め、記号に置き換える
請求書のPDFや画像をそのまま貼り付けるのは避けます。必要な項目だけを書き出し、次のように置き換えてから入力します。
| 情報 | 置き換え方の例 |
|---|---|
| 取引先名 | 「取引先A」「仕入先B」、または社内の取引先コード |
| 口座番号・カード番号 | 削除する(仕訳や集計には不要) |
| 担当者名・社員名 | 「担当1」「社員X」 |
| 住所・電話番号・メールアドレス | 削除する |
| 請求書番号 | 社内の管理番号に置き換える |
| 金額 | 扱いを社内ルールで決めておく |
社内で入力禁止の情報をどう決めるかは、ChatGPTの情報漏洩対策|社内ルール雛形とチェックリストで詳しく扱っています。経理の置き換えルールも、その社内ルールの一部として書き込んでおくと管理しやすくなります。
AIに任せる範囲と、人が判断する範囲を分ける
税理士法人 辻総合会計グループが運営する記事では、請求書チェックにおけるAIと人の分担を次のように整理しています。
AIに向くこと
- 請求書の要約
- 確認項目の洗い出し
- 不足している項目の候補
- 重複請求の可能性の指摘
- 承認前チェックリストの作成
人が判断すること
- 仕入税額控除を受けられるか
- 税区分
- 支払ってよいか
AIに向く作業は、どれも「判断の材料をそろえる」ものです。この記事のプロンプトに「判断はしない」という制約を入れているのは、この線引きを守るためです。AIの出力は、担当者が判断するための材料として扱います。
よくある失敗4つと防ぎ方
同じ記事では、請求書チェックにAIを使うときのよくある失敗が挙げられています。10〜30名の会社に置き換えた防ぎ方とあわせて整理しました。
| よくある失敗 | 防ぎ方 |
|---|---|
| 請求書PDFをそのまま外部サービスに入れてしまう | 必要項目だけ書き出し、記号に置き換えてから入力する |
| AIの回答をもとに税区分を確定してしまう | 出力は「候補」と呼び、確定欄は経理責任者が埋める |
| 承認者が決まらないまま運用を始める | 始める前に、確認者を1名決めて社内に伝える |
| 入力してはいけない情報を決めない | 上の置き換え表を社内ルールとして配る |
利用するサービスの規約と設定を確認する
ChatGPTの料金プランや、入力した内容がどう扱われるかは、提供元の公式情報で確認してください。プランや設定は変わることがあるため、導入時と定期的な見直しのタイミングで確かめます。
個人情報の扱いについては、個人情報保護委員会が「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」を公表しています。社員や取引先担当者の個人情報を扱う可能性がある経理部門は、社内ルールを作る前に目を通しておくと安心です。ルールの文面そのものは、生成AIの社内規定サンプルを下敷きにすると作りやすくなります。
経理のAI活用を社内に広げるには
経理担当が試して終わりにせず、会社の仕組みとして続けるための進め方です。全社的な導入の流れは中小企業の生成AI導入ステップにまとめているので、ここでは経理部門に絞って書きます。
役割を3つに分ける
10〜30名の会社では、専任の担当を置くのは難しいものです。兼務でかまわないので、次の3つの役割を誰が持つかを決めます。
| 役割 | 担当の例 | やること |
|---|---|---|
| 使う人 | 経理担当 | プロンプトを使い、出力を元資料と照合する |
| 確認する人 | 経理責任者、または顧問税理士 | 仕訳・税区分・支払可否を確定する |
| ルールを決める人 | 経営者 | 入力禁止の情報、使ってよい業務を決める |
担当者が1人しかいない場合でも、「確認する人」だけは別の人にします。顧問税理士との月次面談で、AIの出力を見てもらう時間を少し取る方法もあります。
月1回の振り返りシートで効果を測る
続けるかどうかを感覚で決めないために、月に1回、次のシートを埋めます。数分で書ける量に抑えています。
【経理AI活用 振り返りシート】[2026年10月]
■ 使った業務とプロンプト
- [例:プロンプト2(明細から仕訳一覧)、プロンプト7(経費精算の案内文)]
■ 使った回数:[ ]回
■ AIの指摘・出力のうち、誤っていたもの
- 件数:[ ]件
- 内容:[例:振込手数料を雑費に分類した]
■ 出力の確認にかかった時間:合計[ ]分
■ プロンプトの修正点
- [例:毎月の取引ルールに「振込手数料は支払手数料」を追加]
■ 入力ルールで迷ったこと
- [例:社員の立替経費に氏名を入れてよいか → 「社員X」に置き換えると決定]
■ 来月の方針:[続ける/範囲を広げる/やめる]
誤っていた内容を書き残すと、そのままプロンプトの改善点になります。確認時間が減らない業務は、無理に続けずに対象から外して構いません。
プロンプトを共有フォルダに置く
使えたプロンプトは、個人のメモではなく共有フォルダに置きます。ファイル名を「経理_仕訳候補_v2」のように業務名と版数で付けると、修正の経緯が追えます。経理で作った型は他部署でも応用できます。会議の記録ならChatGPT議事録プロンプト集のように、同じ「役割・目的・出力形式・制約」の考え方で作れます。
生成AIの基礎知識を全員でそろえる
プロンプトを配っても、「なぜ実データを入れてはいけないのか」「なぜAIの答えをそのまま使わないのか」が伝わっていないと、ルールは守られにくくなります。経理担当だけでなく、経費精算をする社員や承認する管理職にも、生成AIの基本的な性質を知ってもらう必要があります。ただ、全員を同じ時間に集めて研修するのは、少人数の会社ほど難しいものです。
その解決策の一つが、当メディアを運営する株式会社Essenceの「実践型AI講座Biz」です。法人向けの実践型AI動画講座で、生成AIリテラシーやChatGPTの基礎から、事務書類作成の効率化、経営・管理職向けのAIガバナンスまでを動画で学べます。料金は月額19,800円(税抜、2026年10月時点)で、1アカウントで社員何人でも視聴できます(同時に視聴したい場合はアカウントの追加が必要です)。24時間365日、スマホからも視聴できるため、繁忙期を避けて各自のペースで進められます。契約前に無料デモで内容を確かめられます。
ChatGPT経理プロンプトに関するよくある質問
- 仕訳はChatGPTに任せてしまってよいですか?
- 任せきりにはせず、勘定科目や税区分の「候補を出す補助」として使うのが現実的です。確定は経理責任者や顧問税理士が行います。プロンプトに「税務上の最終判断はしない」「情報が足りなければ質問を書く」と入れておくと、候補と確定を分けて扱いやすくなります。
- 請求書の画像やPDFをそのまま貼り付けてもよいですか?
- 避けたほうが安全です。請求書には取引先名、口座番号、担当者名などが含まれます。必要な項目だけを書き出し、取引先は記号、口座番号は削除といった置き換えをしてから入力します。あわせて、利用するサービスの規約と社内ルールも確認してください。
- インボイスの登録番号の確認にChatGPTは使えますか?
- 請求書の書き出し内容に登録番号の記載があるかどうかを拾う、形式面のチェックの補助までにとどめるのが無難です。その番号が実際に登録されているかなど真正性の確認は、AIの回答に頼らず、公的機関が提供する情報で確かめてください。
- 消費税や軽減税率の計算をChatGPTは正確にできますか?
- 税率の異なる品目が混ざる場合、「税率ごとに区分して」とはっきり指示しないと、まとめて計算されることがあります。指示を明確にしたうえでも、1円単位の端数や小計は、表計算ソフトや電卓で人が検算してください。AIの計算結果は下書きとして扱います。
- 経理担当が1人しかいない会社でも始められますか?
- 始められます。まずは経費精算の案内文や手順書づくりなど、数字や取引先情報を使わない作業から試すのがおすすめです。ただし、仕訳や支払に関わる出力は、経営者や顧問税理士など担当者以外の人が確認する流れを作ってから使ってください。
まとめ|経理のChatGPT活用は「下書きと確認項目の洗い出し」から始める
ChatGPTは、経理の仕訳や税区分を確定する道具ではなく、候補出し・下書き・確認項目の洗い出しで担当者の準備時間を短くする道具です。役割・目的・出力形式・制約を書き、「分からなければ要確認」と指示すると、出力が安定しやすくなります。
一方で、請求書PDFをそのまま入れない、税区分や支払可否はAIに決めさせない、といった線引きは最初に決めておく必要があります。
次の一歩として、この記事の「7. 経費精算の案内文」か「8. 手順書づくり」を架空のデータで1回試してみてください。あわせて入力禁止情報の置き換え表と確認者を決め、月1回の振り返りシートで効果を記録していきましょう。
全社員がAI人材に。
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